2年ぶりとなるマレックさんの日本でのチェロリサイタルに、大人チェロ会の皆さまと行って参りました櫻田こずえです、皆さまごきげんよう!
#聴き逃した方、11/4@明治神宮前でマレックさんのチェロが生で聴けるよ!それも入場無料で!最後に情報掲載しました
やっぱり好きだな〜マレックさんのあたたかい音・・・今回さらに印象に残ったのは、指板の上を軽やかに、信じられないほどの軽やかさで踊る「指の動き」!
マレックさんもインタビューでおっしゃっていましたが、ほんと、チェロを習い始めると注目する場所が変わって来ますね・・・そして、もっと上手くなると、もっと視点が変わるんだろうなぁ。
以下、クラシック音楽の知識なく40歳でチェロを始めてその魅力にハマっているチェロ初心者が、難しいことは分からないのですが、感じたことをそのまま呟いております。
【参考】マレック・シュパキエヴィッチさんインタビュー
前半:大人がチェロを始めるメリット/なぜチェロを選んだのか等
後半:チェロはコミュニケーション/音楽の持つ力
★ バッハ(シロティ/カザルス編)トッカータ、アダージョとフーガ ハ長調 BWV564より アダージョ
「哀愁」という言葉がぴったりで、そして静かにコンサートの世界に誘われる・・・うっとりの一曲目でした。
短調から始まる短い曲なのですが、最後に長調で穏やかに締めくくられるのも素敵でした。
若くして他界されてしまったという、マレックさんの恩師への想いが感じられて、より一層心に残りました。
あの時のケイツ先生の演奏が今でも私の中に残っているように、この曲が皆さんの心の琴線にふれることになればと願う。
〜マレックさんのコメント(パンフレットより)〜
一曲ずつマレックさんのコメントが書いてあるのですが、それが一つ一つ、想いが込められていて、より一層、心を傾けて演奏を聴くことができました。
★ シューベルト アルペジオーネ・ソナタ イ短調 D821
インタビューで伺った通り、指板の上をダンスするように軽やかに踊る、忙しすぎるマレックさんの指先にずっと目を奪われていました。
第3楽章の細かいパッセージも超人技で、もう、3年目のへっぽこ櫻田にはもう、神の領域で、口ぽかーんで見とれていました。
一見シンプルなメロディのようだが、6弦の楽器のための曲を4つの弦しかないない楽器で演奏するには、実はかなりの挑戦を強いられる。
〜マレックさんのコメント(パンフレットより)〜
いつかあんなダンスを、私も踊れるようになるのだろうか?←あと40年くらい毎日練習すればできるかもよっ!
★ バースタイン(シュパキエヴィッチ編)クラリネット・ソナタ
櫻田は生粋の日本人で、盆踊り的な拍子か、マーチくらいしか馴染まない。3拍子でさえ「つんのめりそう」とイケメン先生に言われるくらいだし、もちろん裏拍は永遠に「分かったつもりでも身体が分かっていない」であろう自信がある。
リズム感の欠如は致命的だろうと思いつつ・・・しかしゆくゆくは、ジャズっぽい曲をカッコよくチェロで弾いてみたいと思っている、思うのは自由だ。
ということで、こんな曲が弾けたら最高に気持ちいいだろうなーとウットリしつつ、第1楽章はちょっとエキゾチックな感じ、第2楽章はジャズ的な不思議なテンポで、ピアノとチェロの掛け合いのを、席を立ち上がりたくなるような気持ちを抑えつつ、楽しませて頂きました。
拍子が次々と変わる(と、パンフレットに書いてあったから気づいたけど、書いてなかったら「よく分からない難しい拍子だな」くらいしか思わなかったであろう)この曲は、伴奏のピアノもめちゃめちゃカッコよくて、一体どこでどうやって音を合わせてるんだろう?
いつもご一緒されてる、お美しいジアイ・シーさんの演奏もとても素敵でした!
チェロとクラリネットは音域が近いこともあるため、チェロによる演奏でもオリジナルの雰囲気を残すことができると思われる。
〜マレックさんのコメント(パンフレットより)〜
★ フランク チェロ・ソナタ イ長調(原曲:ヴァイオリン・ソナタ)
一番印象に残ったのはこの曲でした。
深くて厚い音、優しくて包み込むような柔らかい音、大好きなチェロの音を存分に味わいました。
なんとなく、長調の伸びやかな音は少し深みのある黄緑。魂の叫びのような強い短調の音は、赤紫がキュッとするような(←意味不明)・・・なぜだかよく分からないけれど、しばしば色を感じる、そんな演奏でした。
どんなに高い音を出してもキンキンしない、強い音もどこかまろやかで・・・コンサートの後にチェロ会メンバーで話した時も「マレックさんのチェロの音は、強い音にも優しさがあるのはなぜだ!惚れる!」みたいな話しになりました。
これはもう一回聴きたいな・・・
★ ショパン(イザイ/シュパキエヴィッチ編)バラード 第1番 ト短調 Op.23
パンフレットにこう書かれていたので、最初の音が発せられるのを、ドキドキしながら耳を澄ませて待っていました。
この曲の冒頭はの音は、実はチェロの音域の最も低い音で書かれている。それが今晩チェロによって奏でられていることにも注目していただければ編曲者冥利に尽きるといえるだろう。
〜マレックさんのコメント(パンフレットより)〜
ぶぉーーーーーーーーぅーーー・・ ←言葉で表現できるワケないのだが、出だしの低音。
あー私のチェロはこんな厚みや深みのある音は出してくれないなぁ(チェロのせいにするな、お前の実力次第だーっ!)、なんて思いつつ、お腹にぐぅっと響く低音を味わう。
曲が進むと、今度はものすっごいハイポジション、指板の一番下ギリギリでマレックさんの指が踊り、軽々とそこで重音が繰り出される。
っかーーーっ!←感動し過ぎてちょっとおかしくなっている
マレックさんに弾いてもらえるチェロは幸せだな、自分の才能を上から下まで、余すことなく使い切ってもらえて、幸せだろうなとか、思ってしまった。
それに引き換え櫻田のチェロは・・・・以下省略
★ アンコール:ラフマニノフ ヴォカリーズ
鳴り止まない拍手に促されて始まったアンコールは、ラフマニノフのヴォカリーズ。
いつか弾きたいと思っている名曲、嬉しい♪
切ない旋律は、チェロの、いや、マレックさんの慈愛に溢れた、豊かであたたかな響きとなって、満席のヤマハホール を幸福感で満たしていました。
マレックさんのチェロ愛に溢れていた
今回のコンサートでは、全てが「そもそもチェロ以外のために書かれた曲」で、それをマレックさんが編曲等されています。
正に「チェロのポテンシャルを追い求め」ていらっしゃるんですよね。
・チェロの歌声がこのソナタを奏でるのに最適だと自負している
・万能の楽器チェロを存分に楽しんでいただきたい
・チェロの持つドラマチックな音色が活かせる曲
〜マレックさんのコメント(パンフレットより)〜
など、パンフレットの解説でも、チェロのそのポテンシャルを讃え、チェロ愛を炸裂されてました。
もうほんと、全てのチェロを弾く方、チェロを弾きたい方、チェロが好きな方に聴いて頂きたい、いやもう聴いてってば! そんなコンサートでした。
★
そして・・・大人チェロ会の皆様とマレックさんと、ちゃっかり集合写真頂いちゃいました♪
もう10月だというのに、大人チェロ会ウチワ持ってますが(笑)
また、前回来日公演の時のCDをゲットし、サインも頂いてご満悦。
#子供達にあたたかい視線を送りながら奏でるアリアが本当に感動的なんです・・・。
これはどこかで買えるんでしょうか?
★
さて、コンサートの後は、大人チェロ会メンバーで飲み会へ♪
・有楽町ガード下の名店「まつ惣」で、再びコンサート後に酔っ払う
クラシックコンサートの後に「やきとり」という赤提灯も、またオツなもの♪
コンサートの感想で盛り上がり、日頃のチェロの悩み(および愚痴)を語り合い、飲み、そして次の日・・・・マレックさんとの楽しい夜の話はまた次回!
マレックさんのコンサートを聞き逃した方へ!11/4@明治神宮前
ポーランド・フェスティバル2018 で、マレックさんがショパンを弾かれます!なんと入場無料で聴けますよ!
・2018年11月4日(日)11:00〜19:00
・会場:VACANT(東京都渋谷区神宮前3-20-13)
・イベントページ(facebook)
17:00-17:30 ショパンの曲を集めたチェロ・リサイタル
マレック・シュパキエヴィッチ(Marek Szpakiewicz)
木米真理恵(ピアノ伴奏)
会場では、ポーランド料理が味わえたり、他にも楽しい音楽イベントや企画がたっぷりだそう。
お時間のある方は是非!