村上先生のボーイングレッスンに続き、左手レッスンを、大人チェロ会の皆さま総勢20名と共に、2回に分けて受講して参りました櫻田こずえです、皆さまごきげんよう!
お待たせしましたのレッスンレポです。
今回は村上先生はじめましての方も多かったので、まずはボーイングレッスンの復習をして頂きました。
改めてポイントや新しいキャッチフレーズをまとめましたので、前回のレッスン記事と合わせて、ご自身のボーイングを見直してみてくださいね。
腕の付け根は肩甲骨です!
村上先生のレッスンは、解剖学や物理学、そして合気道等の理論に基づいた、論理的な体の運用方法を教えてくれるレッスン。
なので、普通のチェロのレッスンには出て来ない、?な用語や表現が多いですが、だからこそ本質に通じるというもの。
いやまあ、村上先生の溢れ出る教養ゆえ・・・ゆえに凡人は置いてけぼりにされがちですが、今回もしっかりついて参りましょう!
・腕を長くする方法〜肩からが腕ではありません〜
A線の弓先になると、ボーイングがツラいそこのあなたっ!
身体の使い方、認識を変えることで、腕が伸びるかもしれません!
× 腕=肩ーひじー手首
○腕=肩甲骨(鎖骨)ーひじー手首
実際に腕を動かして見てください。肩甲骨から腕、と考えると、可動域が広がりますよね!
腕は肩から生えているのではありません。
腕は肩甲骨という固定されていない骨で体と繋がっており、そこを起点に直線で、肘、手首を結べば、遠くまで腕は伸びます。
肩甲骨をイメージするには、体を前から見た場合は「鎖骨」を起点に考えるとわかりやすいです。
ボーイングアップ&ダウン手順の復習
まずは「伸筋奏法」について復習しましょう。
・ボーイングのダウンの手順
しつっこくおっしゃっていたのが「肩甲骨」という言葉。前回の「肉のところ」に引き続き、連呼されてました。
一番最初に開くのは肩甲骨、それから上腕、前腕。
肩甲骨が上下にぱかっと割れるイメージ、って、想像できます?
肩甲骨からが腕と認識して、その根元から動かし始めるイメージ。
肩ではなく、脇の下や鎖骨からぐいっと、パカッと行く感じです。
背中の方から指先に向かって、順に関節が開いて行く。
それも、順々に根元から開いていくんです。そして、
ボーイングは「横」ではなく「右前」に!
これは前回やりましたね。ボーイングは左右の往復ではないんですよね。
ボーイングのアップの手順
こちらも前回の復習を少々。
・重力で肘が落ちるように畳まれるだけ。
・伸筋で伸びた腕が、腕の重みで畳まれていく(屈筋使うワケない!)
・肩が上がってしまうのは、肘が折れていないから。
アップで力が入ってしまう、屈筋を使うことなんて、あり得ないのです。
指には一本ずつ機能がある
まずは、それぞれの指の役割を前回の記事で復習ください。
親指:サポーター(支点)
人差し指:スピーカー(発音)←偉い
小指:コントローラー(制御)
中指・薬指:スタビライザー(安定化)
チェロを弾く際、指は一本ずつ別々の役割を担っている。日常生活では指は「共同作業」をするので、一本ずつ別々の役割を担うのに慣れていない。
子供は共同作業をしてきた歴史が浅いので比較的すんなりできるが、歴史が長い大人になってから始めると、新しい役割に戸惑い、慣れ親しんだ共同作業「持って」しまう。
脳のトレーニングが必要なんです。
・人差し指の肉の部分
これは前回のレッスンで詳しくやったところ、かつ、村上先生ボーイングのキモとも言える部分なので、ぜひ復習しておいてください。
今回は、前回ほとんどスルーだった薬指にフューチャーした講義となりました。
・中指:スタビライザー(安定化)
実は薬指は構造的な柱なんです。鉄筋コンコンクリートのビルだとしたら、鉄筋。
何それ?鉄筋?そんなに薬指って重要だったの?
最初の村上先生の右手をもう一度見てください。薬指にほんとに鉄筋が入ってそうな、腕・手を弓と繋ぐ要になってる感じしません?一番安定感を持って弓に接している。
#このために撮った写真じゃない、他のレッスンの時に撮った写真でしたが、確かに鉄筋入ってる感じがしてびっくり納得しました。
鉄筋が入ってるから、何もしなくていい、何も仕事しなくていい、何もアクティブな動きをしなくていい。
でも、薬指から肩まで鉄筋が入っていると思って弾く。
で、櫻田は午後のレッスンはチェロなしで聴講していたのですが「薬指から肩まで鉄筋が入っていると思って弾く」前と後では、皆さんの音が全然違うんですよ。
丈夫な音になりましたね、もう一段「芯」を入れて行きましょう。
音が張りが出る、強くなる、薬指効果です。
力を入れているのではないのに、強く張りのある音になるんです!
薬指を意識するだけで、むちゃくちゃボーイングが安定します。
これは目からウロコでしたよ。
・小指はアクティブなバランサー
小指ってあまり意識しないし、特に何か注意されたこともないですよね。
指先でちょこんではなく、腹全体が”なめるように”接触して、弓の一部になる感じ。
小指が弓から離れて、ピンと立っているのはNG。
なぜなら、
小指で弓をコントロールし、釣り合いを取っている。
から!
小指が弓についていないというのは、そのコントローラーを失ってしまうので、とってももったいない話なのです。
【まとめると】
・人差し指でおしゃべり
・薬指に鉄筋
・小指はアクティブコントロール
結局ボーイングの復習も長くなり・・・次回に続きます!