寝室に置いてあるチェロが「私はいつもここであなたを待っていますが・・」と、恨めしさを滲み出して訴えているような気がして、罪悪感に苛まれ続けていた櫻田こずえです、皆さまごきげんよう!
↑ここは自宅ではありません
なんかこう、目を合わせないようにしていたというか・・・。
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さて、最後にチェロを弾いたのは、3月の大人チェロアンサンブル会。
チェロケースを開けたら、この時の楽譜が出てきました(笑)
・ 第二回大人チェロアンサンブル〜みんなで楽しむアンサンブル〜
それ以来ずーっとチェロの視線をスルーし続け、先月突然「ねぇ、あの夢の楽譜買っちゃえば?」という空からの啓示を受けてポチり、
・ バッハ無伴奏チェロ組曲の楽譜を買った★なぜたくさん種類があるの?
ようやく先週末、5ヶ月ぶりにチェロを弾きました。
なんかホッとしました。
ずっと罪悪感感じてたんですよね、チェロにも、関係者各位にも、自分にも。
大人チェロ会なんて主宰している人が、チェロを弾いてないってどうなの?とか、本当は弾きたい自分がいるのはずなのに、なぜ避けてるの?とか、いろいろあって。
そして、チェロを久しぶりに弾いてみたら、なぜチェロを弾きたくなくなったのか、お話ししておきたくなりました。
いやもう、チェロを弾くのがただただ怖かったんです。
遡ると去年の10月、来日するマレックさんに聴いてもらうために、ユーモレスクを(櫻田にしては)頑張って自主練していました。
大人チェロ会で教わった、小さな男の子の豊かな演奏動画を観ながら、自分なりに楽しく、思うように自由に演奏して、それなりに弾けるようになった♪と思っていました。
マレックさんのインタビューでも、伝えたい気持ちが大切とおっしゃてて、「私はチェロを楽しんでいるんだよ〜っ。」ていうのが、伝わるような演奏をしたくて。
・マレック・シュパキエヴィッチさんインタビュー前半★大人がチェロを始めるメリット/なぜチェロを選んだのか等
そのマレックさん会の前日だったかにレッスンがあって、先生にユーモレスクを聴いて頂いたんですが・・・
多分、雨雨降れ降れかあさんが〜って(リズムが音符通りではない)、すっごい楽しそうに水たまりを跳ね飛ばして(音が跳ねてちゃんと出てない)いたんだと思います。
どんな先生でも「あちゃーっ!来日するチェリストに聴かせるなら、どうにか直してあげないと!」って思わせちゃうような演奏だったんだと思います。
ということで、レッスンはダメ出しの嵐となり、最初の数小節を繰り返し弾き続けることに・・・そのまま1時間のレッスンは終了し・・・「こんな演奏は人に聴かせてはいけない」と思いつめてしまいました。
基礎がちゃんとできていないのに、練習量足りてないのに、表現とか、伝えたいこととか、そういうの余計だよね、きっとそれが悪かったんだ、そもそも毎日練習しない自分が悪いんだと、自己嫌悪スパイラルに落ちてしまって。
#レッスンのせいではなく自分のメンタルのせいです
結局、マレックさんの前でもほとんど弾くことができなくて、すぐ演奏を止めてしまいました。笑って誤魔化していたけど、本当は泣きたかった、ずっとずっと楽しみにしていたのに、ポンコツな自分が情けなくて。
でも、こんなひどい演奏を堂々と聴かせなくてよかった・・と思ってもいました。
それ以来、チェロを弾きたくなくなりました。
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練習量が少ない自分はダメ、ちゃんと練習しない自分はダメ、ちゃんと弾けない自分はダメ・・・先生よりも誰よりも、自分自身が自分にダメ出しし続けて、これまでチェロを弾いてきたように思います。
レッスンに追い詰められたのでは全然なくて、自分が自分を追い詰めていました。
それが、一つのレッスンをきかっけに噴出したのかなと。
練習時間は少なくてもいいし、練習量なりに上達していけばいいし、いや、上達しなくったっていいし、頑張らなくっていいし、先生の期待に応えられなくっていいし、人と比べなくていいし・・大人の習い事は義務でも何でもないんだから、純粋にチェロを楽しもう!
いつか上手になったら楽しもう・・・って、今楽しまないでいつ楽しむのよっ!
#大人チェロ会は年齢高めなので、特にこの点は強調しておきたい。
大人チェロ会でのアンサンブルなどを通じて、少しずつ気持ちも変化して来て、空から啓示が降ってきて、はい、現在に至ります。
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以前、大人チェロ会のメンバーの方から、
「レッスンが辛すぎて苦しくて、チェロをやめることにしました。」
「忙しくて練習時間が取れず、そのことに自己嫌悪してしまうのが辛くて、チェロをお休みすることにしました。」
そんなお便りを頂いたことがあります。
本当はチェロが好きなのに、チェロを弾きたいのに・・・お気持ちを察するに余りあります。
その後、皆さまいかがお過ごしですか?
中断した後も「続けられなかった自分」を責めてしまっているのではないかというのが心配です、自分はそうだったから。
無理に再開することもないですし、聴く専門でも十分チェロは楽しめますよね♪
でも、もしいつか気が向く時があったら、今日でも、一年後でも、またチェロに触れてみてください。
再開してもすごい下手になっているだろうな・・・という心配があるかもしれませんが(櫻田はそうでした)、チェロって少しくらい離れていても、体がわりと覚えてるみたいです。
案外、以前とそれほど変わらない感じで弾けて(ヘ音記号が読むのが遅くなってたけど)、「ホッ」として、心が緩んでくるかもしれません。
そうしたら、心の奥にある「純粋にチェロが好き」「チェロを弾きたい」という気持ちが、安心して顔を出してくるかもしれません。
櫻田は、久しぶりに音階を弾いて(音程のズレ具合にウケつつ)、本当はずっとチェロを弾きたかったんだなーって心の奥から感じられた時、お休みしてよかったな、必要な時間だったんだな、って思いました。
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ということで、バッハ無伴奏チェロ組曲を初めて弾いた話を次回!