メトロノームに合わせて一定のテンポで弾くのは大変苦手だし、リズム感もグルーヴ感も持ち合わせていないので、バラバラと丸太を転がすような音の連なりを奏でがちな櫻田こずえです、皆さまごきげんよう!
そんな櫻田は、村上先生からこんなストレートなご指摘をいただきました。グサッ!
音の長さが、不均一で、四分音符を焦って弾いてるように思いました。
ひとことで言えば、テンポが悪いということです
あぁそうですよね、すみませんね、どうせテンポ悪いですよっ、と、逆ギレして終わりではなく続きがあり、
が、これには一発で直る直し方があります。こんどまた書きます。
と言われ、めちゃめちゃ期待させられたまま、しばらく放置されていました。
果たして、催促するとこんなメールを頂きまして・・・教えて頂きました「一発で直る直し方」を!
まずテンポが不正確な理由を知る
テンポを直す秘訣ですが、まず、テンポが不正確な理由は、「急ぎたい」とか「ゆっくりにしたい」という気持ちがあることです。
このように感じること自体は自然なことであって、「急ぎたい」「ゆっくりしたい」という気持ちを抑圧してはいけません。
そうした気持ちは、音楽の種であって、とても大事に育てるべきものです。
しかし、このYouTubeの映像は、そうした気持ちが、そのまま、なんの防波堤やチェック機構も働かずに、ストレートに流出してしまっている感じなわけです。
【Youtube】櫻田がDotzauer#1を弾く
光に寄っていく蛾、餌にむらがるゾウリムシのようなもので、本能がそのまま行動になってしまっているということです。
チェロを弾く櫻田は、蛾・ゾウリムシレベルだと!?
先生、例えを意図的に悪くしたでしょー!もしくは、性格の黒さが出てますっ!←そこが好きなんですが
そして、畳み掛けるようなこの一文。
したがって、理性ある人間として、次のように感じてください。
もーーーっ!(怒)
あ、でも、はい、理性ある人間になるにはどうしたらいいんですか?人間になりたい!(ベム・ベラ・ベロ)
白いこずえと黒いこずえを想定する
頭の中に、白いこずえと黒いこずえがいます。
櫻田:は? えっと、こんな感じ?
黒いこずえは、「急ぎたい」「ゆっくりしたい」という欲望を素直に感じます。
欲望を抑える必要は一切ありません。
白いこずえは、ただそのことを客観的に、「あ、いま黒いこずえは先に行きたがってるな」「黒いこずえはブレーキをかけたがってるな」と横から観察して下さい。
観察するだけでいいです。
このように、二人のこずえを想定することで、テンポの問題は魔法のように解決するはずです。
やってみてください。
自分で録画を比較すると、なおよいと思います。
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移弦が焦ってるという指摘にしろ、何にしろ、落ち着け、俯瞰しろ、部分最適ではなく全体最適、近視眼的になるな、木を見て森を見ず、本来のゴールを見失うな(音を聴け)・・なんかもう、櫻田の生き方そのものを注意されているような気分になります。
櫻田は蛾でもゾウリムシでもない、理性を持った(いい歳した)大人のはずよっ!
ということで、早速やってみました!
黒こずえを観察してみた
・・・ただ観察するって結構難しい!
座禅的な難しさ、あれ、ただ座って自分を観察するって、難しいんですよ(経験者)
で、やっぱりなんかこう、黒こずえを意識すると、コントロールしようとしちゃう。
もしくは、黒こずえの相手なんてしてる暇ないくらい、頭の中が忙しくなったりして、
#レッスン中の頭の中って、結構この白こずえ状態ですよね。
横から観察するだけ、っていうのが、座禅で息吸って吐くのを数えるだけで余計なこと考えないのがすごく難しい、に似た難しさ。
いろんな蛾、じゃなかった我を捨て、「テンポを一定に保とう」と力んだりせず=黒こずえをふわっと観察するような気持ちで弾けると(その瞬間はなかなか訪れないが)
テンポだけじゃなくて、音も良くなります。
#それは録画している時には訪れませんでした・・・すみません。
確かにそれは、魔法のように一発で直る方法だけど、魔法使いになかなかなれないと言う・・。
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何も考えずに適当に弾くのではなく、十分意識はしてるんだけれど、リラックスして全体が見られているような感じがいい、これだっ!と、櫻田は思いました。
この前のイケメン先生のレッスンでも、いろいろ意識して弾いてる時は全然ダメで、そうじゃない時に、何気なく弾いたスタッカートを褒められたり。
コントロールしようと思わないけど、適当でもない、観察奏法?、恐るべし!
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正直ね、メール頂いた時、え?何その精神論?って一瞬思ったことは告白しておきます。
でも実際やってみて、演奏中の「意識の在り方」を整えることで得られるものは大きい、と感じました。(ちゃんとは得られてないけど)
マインドフルネス、かな・・・リラックスしているけれど意識の解像度は高い状態。そして今ここ、あるがままの自分をただ受け止めるという、自分を俯瞰する感じ。軽く”ゾーン”に入るような状態なのかもしれない。
マインドフルネスに演奏する、と考えると、ちょっと面白い。
実は最後に「でも、暗譜するほど練習した曲じゃないと、観察奏法は難しい。」とか書こうと思ったけれど、そういうことでもないんですよ。上手にならないと音楽的な演奏はできない、という思い込みと一緒で。
演奏中の意識の在り方・・・それを演奏中に少しでも意識できたら一歩前進、だと思いました。
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先生にその後について報告していないので、「全くもって勘違いです」とか「飛ばねぇ蛾はただの蛾だ!」←これは自分が書きたかっただけ とか、何かフィードバック頂いたら、またご報告しますね!