長々と引っ張っておりますが、まだまだ終わらない、村上先生のレッスンレポート、4回目です。
【村上先生のボーイングレッスンレポ】
・1〜序章:出会いからレッスン&スゴ過ぎるご経歴
・2:ハートに向かって弾く/人差し指の肉のところ
・3:指の役割(親指・小指・他)
・4:正しい姿勢はへそに聞け/作用・反作用の法則
・5:伸筋奏法・弦と弓の角度・移弦の角度
#レッスンのレポートを書くこと、ご了承いただいております。
スパルタ指導中!(ウソ)
チェロの正しい姿勢は自分のへそに聞け〜ヘソビーム〜
皆さん、椅子に座ってチェロを構えてみてください。
一同座り直してみたり、姿勢を正してみたり・・・。
その時、ご自身のおへそからレーザービームが出るとして、それはどこに向かってますか?
一同ポカーン。
いや、おへそからレーザービーム、出ないし(笑)
これは骨盤の向きの話なのですが、正しい向きになっていれば、へそビームは下ではなく上に向かっているはずです。
姿勢のだらしない男性の方がわりと上向きなことが多く、姿勢の良さそうな女性ほど、下向きになっていることが多いらしいです。
恐らく、反り腰とか、骨盤前傾とか呼ばれるタイプの方だと思われます。
チェロを演奏する姿勢を取った時、おへそが上を向いているかどうか・・・チェックしてみてくださいね。
で、ヘソビームを上に照射しながら座ると、背中が曲がって、身体全体がダラーっとしてしまって、あからさまに姿勢が悪い人、みたいになってしまう・・・。
腰には無駄な力を入れず、しかし、首が伸びていて、肩が下がっていることが大切です。
えっと、肩が下がるっていうのはよく聞くんですけど、首が伸びていてって、どんな感じだろう・・・キリンみたいな?
いやいや、それは首長いだけでしょ。
ってことで、次の大切なお話へ。
<村上先生より追記>
ヘソビームが下向きはよくないですが、
・下向きは、背中を沿って胸を張って腰を入れたような姿勢
・上向きは、だらしなく座った社長のような姿勢ですが
どちらも極端はいけません。
だいたいビームは水平で、
「よい姿勢」として、
作用・反作用の法則
よく「腕の重みを弓を通じて弦に乗せる」と言いますが、物理学で考えると、「弓が弦の上に乗って弓を下に押す力と、それと逆の向きの力が入って均衡が取れている」という表現になります。
その弓を下に押す力をキャンセルしているのはどこの部位でしょうか?
またまた一同ポカーン。
何のことだか全然分かりませんが、これが幽体離脱したくる程(目からウロコの最上級)だった「作用・反作用」のお話です。
【参考】作用⋅反作用の法則 (わかりやすい高校物理の部屋)
チェロのレッスンで、こんな話聞いたことないですよね。
答え:頭、頭と胸ですね。
頭と胸?ふーん、ポカーン。
腕の重みが重力に引かれて弓に落ちてくる。
それを胸と頭が上に行く力でキャンセルされ均衡が取れているんです。
あぁ、なるほど。
(これ、理系じゃない方だと、実際にやってみないと理解は難しいです)
そう考えると、お尻とか肩とか、そういうところに力が入って痛くなったりするのはおかしい、全て無駄な力が入っている、ということです。
ちなみに、肘で押さえるのは、ローカルで均衡している、最悪のボーイングです。
ローカル、身体の一部分で均衡している状態は、無駄な力が働いていると。
「からだ全体で弾きなさい」と言われると、なんとなく分かるけど、なんとなく分からないな・・・と思っていましたが、こういうことだったんですね!
で、皆さん首とか頭とか意識して、おそるおそるボーイングし始めます。
そう言われると顎だけ上げちゃったりしがちですが、それは違いますよ。
と言われて、慌てて顎引く人続出。
うなじを上に引っ張るような感じです。
そう言われると、顎を引いたミーアキャットみたいになる人続出。
鎖骨からの胸の部分と頭は質量が大きいですから、腕の重みをキャンセルするには、1mm上に動くだけで十分ですからね。
はい、頭引っ込めるミーアキャット続出。
追記:頭・首はスッと伸ばして、肩は落とす・・・バレエと同じ!という参加者さんの声もありました、まさにっ!←バレエやったことないけど
櫻田はがっつり文系ですが、今まで「身体で理解しろ!」だったことが、理屈で理解できて、うはーっ!
大人になってからチェロを始めることの唯一と言ってもいいほどの利点は、こういった理屈から自分の演奏を俯瞰することができることではないでしょうか。
★
ちなみに、胸にアザが出来るのは、力のかけ方がおかしいからだそう。
チェロはこんなに軽いんだから、アザなんかできるはずありません。
どこかで無駄な力をかけ、それを胸で打ち消すという「無駄に力をかけて、無駄にそれを押し返す」という、「ローカルで無駄な力をかけて、それをローカルでキャンセルすると」という、いい音に全く貢献しないことをやっている証拠だと。
ドキッ。
繰り返しになりますが、ボーイングの右手で、「近場(ローカル)」で作用・反作用を考える(肘や肩で弓を押さえるような動き↓)のはダメ。
はい、身体全体で、作用・反作用を意識しましょう。
#オレンジや紫は櫻田が書き足したものです。
ちなみに、レッスンにこのフリップがなかったら、理解度3割減でした・・・。
村上先生、天才にありがちな、言えば理解できるだろう、という考えではなく、凡人でもきっちり理解できるように、図解をして下さったのは本当に感謝です。
次回の左手講座でも、よろしくお願いします!
おまけ:左右のバランスについてのメモ
・首より左にチェロのネックが来る。
・ゆえに、チェロは正中には物理的に来られない。
・だから、両足にしっかり挟もうとすると無理が生まれる。
=右の膝小僧は緩くていい、逆に左はしっかりと、左右強弱が生まれて当然。
おーーー!なるほど!
#このデュプレは極端ですかね。
追記:体の構えも、誰にでも正しい座り方とか角度というものはなくて、その人それぞれの身体や弾き方にとって整合性が取れていることが大切で、最終的に、いい音が出るならそれが正解!
そしてその最終的なゴールを意識できているかどうかが大切とのことなんですが・・・音符を追って音を出すので精一杯になっちゃうんですよね・・・追記終わり
村上先生の説明って、今まで何度も言われてきたことのような気がするんだけれど、説明がいちいち理にかなっていて、聞くたびに目からウロコなんですよねぇ。
★
今回、2時間弱のレッスンだったんですが、書きたいことはまだ2つあるんです。
「伸筋&屈筋」と「移弦と、弦と弓の角度の関係」について!
【村上先生のボーイングレッスンレポ】
・1〜序章:出会いからレッスン&スゴ過ぎるご経歴
・2:ハートに向かって弾く/人差し指の肉のところ
・3:指の役割(親指・小指・他)
・4:正しい姿勢はへそに聞け/作用・反作用の法則
次)5:伸筋奏法・弦と弓の角度・移弦の角度
#レッスンのレポートを書くこと、ご了承いただいております。