チェロ再開初日、先々週の土曜日は、ただただ、バッハ無伴奏チェロ組曲を弾いておりました櫻田こずえです、皆さまごきげんよう!
憧れの曲を数小節でも弾けて満足し、練習が終わってふと思ったのは・・・
「さて、これからどうしよう?」
レッスンに通う?
アンサンブルに入る?
う〜ん、まだいいかな・・。
家ではチェロが弾けない、弾くためには場所を確保することが必要で、わりと大変・・・これをエイっと定期的に入れてしまった方が、いいんだろうな・・でも、何しよう・・・
なんて、ぼーっと考えていました。
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先週の土曜日、たまたま練習室が空いたので、脊髄反射で予約。
ノープランで練習に挑んだのですが、無伴奏はやらず、1時間半くらい、主にボーイングをやっていました。
G線の開放弦が一番好きなので、ほぼその音を出していました。
深い深い音。
私はチェロに大地とか森(針葉樹林)、茶色〜深緑色、地面の安定とか包容力を持つ、深く静かな美しい音を感じるのですが、それを一番かもすのがG線の開放弦のソ。
ボーイングについて、これまで、いろーーーーーーんなアドバイスや考え方を教えて頂いたけれど、ひとまず全部置いといて、ただひたすらG線をボーイングする、聴きたいから。
気持ちよくて、目をつぶって弾いてみる・・・すると、だんだん弓が落ちて行ってしまう。でも、目を開いて確認しなくても、音でそれに気づく。
目をつぶったまま、弓の位置をなんとなく指板寄りに上げて行くと、ふと、いい感じに響くところがあるから、そこでまたボーイングを続ける、気持ち良い音がしてうっとりする、また駒寄り・・・を繰り返す。
そのうちどこか腕のバランスが崩れて、弦が振動しなくなる・・・また音を頼りに腕の角度とか、姿勢とか、持ち方とかのバランスを取り戻すと、再び胸に振動が伝わってくるようなソが出て嬉しくなる・・・そしてまた崩れる・・・を繰り返す。
1時間近く繰り返していたら、村上先生のレッスンを思い出す。
弦と弓を見ないでも、しっかり音を聴いていれば、必然的に直角になります。
×:角度が直角にできれば綺麗な音が出る
○:一定の音を求めるならば、角度が直角にならざるを得ない「直角にしなければ」ではなく、身体全体のフィットネス感で弾くことがずっとずっと大切。
自分の求める音が先にあれば、弓と弦の交わる角度は、自ずと決まって来ます。
・村上先生のボーイングレッスンレポ5:伸筋奏法・弦と弓の角度・移弦の角度
チェロと自分と一体になって、全体としてバランスが取れていて、せっかくの力を打ち消すような場所はなく有機的に統合されていて、全てがその音のために貢献している状態。
体の構えも、誰にでも正しい座り方とか角度というものはなくて、その人それぞれの身体や弾き方にとって整合性が取れていることが大切で、最終的に、いい音が出るならそれが正解!
そしてその最終的なゴールを意識できているかどうかが大切
話はすっごい逸れるけど・・・
三角形の面積の出し方を、自分で考え出すのはすごく回り道だと思う。
でも、人から「底辺×高さ➗2」と教えてもらったところで、それに何の意味があるのだろう?
より早く受験レベルに到達すること?
高校生の時、数学ができず、理系に行きたかったのに文転したことを、本当は後悔している。
微分・積分も、確率統計も、行列も、回答パターンを暗記するような勉強のし方をして、行き詰った・・・本当はすごく楽しくて、クリエイティブなのに(放送大学で学び直そうと密かに思っている)
チェロの音の出し方を、自分で見つけるのはすごく回り道だと思うし、一般的な正解には達しないかもしれない。
だけど、G線上で思う、それでもいいじゃん、いや、それがいいじゃん、自由に弾きなよ。
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で、逆説的なんだけれど、「私は自由に弾いていい!」って心から思えた時、実は学びたくなるんじゃないのかなって。
「「助けてください」と言えた時、人は自立している」という、一見逆説的だけれど深く頷けることが、安冨歩さんの本の帯に書いてあるのを見て(積読中)思いました。
ということで、もう少し、ノープランの気まぐれ練習を、G線開放弦(次回もそうとは限らないけど)を続けてみようと思います。
曲が弾けるようになる、何かテクニックをマスターするという、分かりやすい進歩がなくても気にせず、ただ、好きな音を聴きたいから弾く、で。
でも、ボーイングだけじゃ飽きるので(笑)、練習の最後に、無伴奏をちょっと弾いてニヤニヤし、大好きなこの曲を耳コピして、またニヤニヤしました♪
これをバイオリン&チェロにアレンジして、夫婦で弾くのが夢です、うふっ。
って、バッハくんはいつバイオリン復活するのかな〜(笑)