ということで、村上先生のレッスンをレポートして参りたいと存じます!
【村上先生のボーイングレッスンレポ】
・1〜序章:出会いからレッスン&スゴ過ぎるご経歴
・2:ハートに向かって弾く/人差し指の肉のところ
・3:指の役割(親指・小指・他)
・4:正しい姿勢はへそに聞け/作用・反作用の法則
・5:伸筋奏法・弦と弓の角度・移弦の角度
#レッスンのレポートを書くこと、ご了承いただいております。
こんな感じで、先生を囲むように構える大人チェロ会の皆さま。
先生と初対面ですし、なんとなく緊張、ドキドキ。
まずはウォーミングアップ、挨拶がわりに開放弦でボーイングとなりました。
弓の返しでこそ「歌う」
弓の真ん中でいい音がして、返しのところに音が切れがちです。
早速注意されます。だって返しだもん・・・しょうがな・・
「返し」は実は、一番美味しい、音楽的にジューシーなところ。
「返し」でこそ「歌う」!
へぇ、そうなんだ。返し「こそ」なんだ。
車でコーナーを綺麗に曲がるように返す。
まだ緊張している私達に軽くジャブを繰り出す先生。
そんな私達のボーイングを観察しながら、レッスンを展開されて行きます。
弓は地球の中心を向きます
皆さん、弓が楽器に対して直角で、毛が全部あたる感じになりがち。
切腹するような向きになってます。
摩擦は強いけど、無駄な力が入って、疲れる弾き方。
櫻田名指しで注意されました!
本来、弓から伝わる重みは重力に逆らわず、地球の中心を向くのがベストなはず
(いきなり話がユニバース!)
大きなビーチボールを下に押さえるような感覚
(そして急に身近な例・・)
スキー場で斜面のゲレンデにまっすぐ立っている感じ
(しばらく行ってないな・・・そんなこと聞いてないって)
そう、重力に逆らわないのが、一番自然で、無駄がない、疲れない。
だから雑味のない綺麗な音が出るんだな〜納得。
でも、チェロが斜めなのでその感覚をつかむのは難しくて、気づくと「切腹モード」に。
実は、いつものレッスンでも何度か指摘されていたんですよね・・・そこで、
・弦の存在は無視して、コマのハートに向かって弾く。
#先生は豚の鼻ともおっしゃってましたw
そうすると、腕の重み弓の重みが一直線に真下に向かい、重力に任せる無駄のない力になる。
それだけで、音が少しずつ変わっていくんですよ。ほんとに!
ぜひ今度の練習でやってみてください。さらに、
・ハートに向かって、パンにバターを塗るように弾く!
いい音出まっせ。
5本指それぞれの役割〜全ては「ひとさし指の肉」のために〜
村上先生に教えて頂いたことで、目からウロコどころではなく、幽体離脱したいくらいだった2トップのうち、1つがこれ。人差し指の「肉」理論。
大人は、棒を見れば、お箸、鉛筆だと思って「持つ」てしまう。
「持つ」というのは「5本の指の共同作業」だが、その認識が伸び悩みの原因になる。
「弓を持つ指は、独立して別々の動きをしている」ことを理解し、実践しなければならない。
まあ、よく「弓を持っちゃダメ」って言われますよね。
さらに一歩進んで「5本の指が独立している」とな?
秘密の特訓をしながら(いやまあ、全部書くのもなんかなーと思って)、その動きを確認して行きます。
・人差し指はスピーカー(発音)
人差し指が発音の責任者、スピーカー。
人差し指大切というのはよく聞くのですが、その範囲が極限定的なのです。
第一関節と第二関節の間のこの辺の「肉」のところが全ての発音の総責任者でありつつ、楽器からのフィードバックもここから伝わる。
身体から楽器へ、楽器から身体へ、全ての情報の出入り口。
「この肉のところ」一点が気持ちよく弓とコンタクトしている状態を目指すと、必然的にあらゆる角度や姿勢が正しく導かれる、そうならざるを得ないんですよ。
例えば、弓を持つ指が外側に倒れると「この肉のところ」とのコンタクトが外れてしまうけれど、「そこ」が常に触れているためにはどうしたらいいか、と考えると、必然的に指を内側に倒すことになる。
指を内側に倒さなきゃいけと言われたから倒す、とは、やってることは同じでも、全然違いますよね。
大人だからこそ、なぜそうなるのかを理解することが大切だと思うんです。
脳はカタいし、身体は新しいことをそう簡単に受け入れませんから。
「この肉のところ」が気持ちよく弓とコンタクトしていたい!という人差し指の「わがまま」を、指先から肩甲骨、体全体が、全力で叶えてあげる、人差し指に仕える、そんな状態になる。
この「肉」一点の気持ち良いコンタクトのために、身体の全てが奉仕する、という感覚が大切。
先生「肉」「肉」「肉」! と連呼されるんですが、笑っちゃうんで何か名前つけてください。
★
ということで、「人差し指の肉のところ」が気持ちよく弓とコンタクトして発音を支配している・・と考えてボーイングや音階をやってみてください。
いい音を出そうとか、あそこをこうして、ここはこういう角度にしなきゃとかじゃなくて。
うまく言えないんですけど、「そういうことだったのか!」ってなるんですよ!
今まで「とにかく弾いてりゃそのうちいい音出るだろう」って思っていたけど、それは違うんだって分かると思います。
ということで、かなり濃い内容で長くなって参りましたので、続きはまた次回!
【村上先生のボーイングレッスンレポ】
・1〜序章:出会いからレッスン&スゴ過ぎるご経歴
・2:ハートに向かって弾く/人差し指の肉のところ
次)3:指の役割(親指・小指・他)
・4:正しい姿勢はへそに聞け/作用・反作用の法則
・5:伸筋奏法・弦と弓の角度・移弦の角度
#レッスンのレポートを書くこと、ご了承いただいております。