いよいよ最終回になりました、村上先生のレッスンレポート、5回目です!
長々とお付き合いいただきありがとうございました。
これだけ理解&実践できれば、後はもう上手になるだけですね!・・・・←
【村上先生のボーイングレッスンレポ】
・1〜序章:出会いからレッスン&スゴ過ぎるご経歴
・2:ハートに向かって弾く/人差し指の肉のところ
・3:指の役割(親指・小指・他)
・4:正しい姿勢はへそに聞け/作用・反作用の法則
・5:伸筋奏法・弦と弓の角度・移弦の角度
#レッスンのレポートを書くこと、ご了承いただいております。
レッスンの後、チェロを背負って歩く、大人チェロ会の面々。
#シワの主が、私櫻田こずえです。
伸筋&屈筋 ボーイングではどっちを使う?〜伸筋奏法〜
いきなりですが、全ての関節には2種類の筋肉が働いているそう。
ほう。。。しんきん、銀行?くっきん、ぽっきん?
【参考】さとう式リンパケアサロン:屈筋と伸筋、さとう式ではなぜ頑張ってはいけないのか?
屈筋で誇示するボディービルは、思いっきり力む力を使っています。
上のもっこりが屈筋(上腕二頭筋)で頑張っているところ。下には伸筋(上腕三頭筋)。
そしてモデルは、若き日のアーノルド・シュワルツェネッガー!
伸ばす時使う伸筋は力みが発生しない。
さらに、実は屈筋より伸筋の方が力が強い上に、屈筋は身体に緊張をもたらしてしまうそう。
ということで、
チェロを弾く時の、全ての屈筋を伸筋に置き換えて行きましょう!
あ、え、うーん、理屈は分かるけれど、そもそも自分がどちらの筋肉を使っているか分からないです・・・。
ダウンの時、後ろに引いてしまうのは屈筋を使っている証拠です。
早速注意される櫻田・・・屈筋使ってるっぽい。
後ろではなく、むしろ前だそう。前って?
イエス・キリストが子らを迎えるポーズです。
#一同、ぽかーん。
#ということで、集合写真にこのポーズを取っていました。
#先生のポーズはもうちょっと前に曲線、子らを抱くようなラインだったので、赤線で修正してみました。
ダウン
・「鎖骨の付け根」から「右前」に伸びていく。
・「肩甲骨から腕の全部」を動かす「脇の下」のあたりから。
この辺りだけで、2,3記事が書けそうですが、とりあえず頂いた言葉を拾っておきます。
アップ
・重力で肘が落ちるように畳まれるだけ。
・伸筋で伸びた腕が、腕の重みで畳まれていく(屈筋使うワケない!)
・肘が折れていないから、肩が上がってしまう。
・最終的に毛をむしられて売られてるシチメンチョウのようになる。
毛をむしられて売られているシチメンチョウって、わりと日本では見かけません。
先生の例えがいつも絶妙過ぎる(ポカーン率が高い)のは、狙ってるのか天然なのか、私たちの理解を助けようと考え尽くされた上なのか。
さて、焼きあがった鶏でも良いでしょうか・・・この手前の手羽の感じですよね。
早速ボーイングをしていると・・・先生から痛い指摘が。
「手首は下がっちゃいけません!」というと、手首だけ不自然に残す人が出て来ます。
はい、すみませんそれ私です。
「そこ」(人差し指の肉のところ)が常に気持ちよく弓に触っているようにしたい、肩や肘は落ちたい、そうすると、引き算で手首はこの高さに残らざるをえない。
・村上先生のボーイングレッスンレポ2:ハートに向かって弾く/人差し指の肉のところ
ちゃんと理由があって、演繹的に導かれるのは、これまでお話しして来たことと全て一緒です。
私たちって、先生の言うことに盲目的に従う的教育を受けてますからね・・・「なぜ?」って思わない。それがいいこともあるのですが。
で、一言でまとめて頂きました。
アップ&ダウンは、「左右に動かす」ではなく「ストレッチ」&「重力で畳む」
これが、屈筋を使わない、身体を緊張させない、伸筋で弾くボーイングです。
左右直線の電車の往復みたいなイメージを持ってはいけませんよ!
#阪急電鉄ですね。
弓と弦は90度にならざるを得ない?
ところで、弦に対して弓を直角に当てなさい、って注意されたこと、聞いたこと、読んだこと、ありますよね?
でも、なかなかそうは行かないのは練習が足りないからで、1,000回弾けばきっと直角になってくるんですよね、先生!
1,000回間違えたことを繰り返せば、間違ったことが定着するだけです。
しょぼーん・・・。
で、レッスンで実験したのが「弦に対して弓を斜めにして弾く」こと。
そすると、だんだん落ちて(上がって)いってしまうんです。
弦と弓を見ないでも、しっかり音を聴いていれば、必然的に直角になります。
×:角度が直角にできれば綺麗な音が出る
○:一定の音を求めるならば、角度が直角にならざるを得ない
「直角にしなければ」ではなく、身体全体のフィットネス感で弾くことがずっとずっと大切。
自分の求める音が先にあれば、弓と弦の交わる角度は、自ずと決まって来ます。
村上先生のおっしゃることは、いつも一貫しています。
移弦の角度の最適化?
再び一同ポカーン。
そんなこと言われてもさっぱりわかりません。
えぇ、図解を見ても、さっぱりわかりません。むしろより難しくなった・・・。
「移弦のパスは一つではない」
YZ垂直な平面で切っても、XY平面で切っても移弦はできます。
人によって弾きやすい角度は違い、そして出せる音色も変わってきます。
・YZ面:上下に動かす(手を上下させる感じ)
移動が最短距離だけれど、位置エネルギーの変化が大きい
等高線狭いところを一気に登る感じ
・XY面:前後に水平に動かす(手を前に押し出したり引いたりする感じ)
移動が最長距離だけれど、位置エネルギーの変化は小さい
山を迂回してゆったりと登る感じ
そんなさ、「移弦の角度」なんて気にしたことなかったし、気にして意味あるのかな・・・とかチラっと思ったよね、正直。
移弦の角度は一つじゃないので、自分が一番綺麗に気持ちよく弾ける角度を探してください。
今無意識で移弦している角度が、一番気持ちいい角度なんじゃないの?・・・レッスンも後半になって疲れているのか、やさぐれる櫻田。
90(90度だから多分。実際は無限大)のオプションがあれば、移弦しやすい場所を選ぶことができるんです。
1個しかオプションがないと、100回練習するとかいう根性論になってしまう。
「移弦の間の運動」をきちっと意識して設計することができれば、何百回繰り返し練習しなくても綺麗にできるようになります。
今はまだ消化できていないけれど・・・90のオプションがあることを知ってこの角度で移弦しているのか、知らないでこの角度で移弦しているのか、それが全然違うっていうのは理解できます。
NHKしかないと思ってNHKを見てるのか、民放あるのを知っていて、でもNHKを見てるのか・・・あ、受信料は気にしないでね。
主体性とか意思とか、音楽に対して能動的に、自ら働きかけようという姿勢が出現するんだと思います。
精神論的に聞こえるかもしれないのですが、それは実際大きな違いを生む、いや、最終的に致命的な違いになることは、これまでの仕事、勉強、スポーツ、他の習い事での「失敗」や「後悔」を振り返ると、ものすごーーーーーく納得できるんです。
どういう軌跡、角度を取るか自分で「設計」する、そこから始めましょう。
いやもうこれ、人生論でしょ。
それにしても、村上先生のおっしゃることはいつも一貫しています。
正しいチェロの弾き方、が最初にあるのではない。自分が聴きたい音、弾きたい音が最初にあれば、そのためにはどうすればいいのか、自ずと決まる、自分で判断することができる、と。
たまにヘソに聞いたりしますが・・・あ、ヘソも自分か。
★
長々と5回に渡って続いた村上先生のレッスンレポ。
2時間弱のレッスンでしたが、Q&Aのコーナーは含めていないし、細かい点、お伝えできなかった、省いた部分、そして、櫻田が理解できなくて拾えなかった部分が沢山あります。
なのにこんなボリュームになってしまうって・・・それほどエッセンスが凝縮された、っていうか、先生、伝えたい気持ちは嬉しいけど詰め込み過ぎだってば!っていうボーイングレッスンでした。(書くのもめちゃくちゃ時間かかった!)
で、一緒にレッスンを受けられた大人チェロ会の皆さま、消化不良起こされませんでした?
櫻田はエビフライ10本食べたくらいの消化不良感だったので、えっらい遠かったですが先生のレッスンを受けに行きました。
ということで、大人チェロ会の皆さまに限らず、村上先生のレッスンを受けていただけるようにしました!
【村上先生のボーイングレッスンレポ】
・1〜序章:出会いからレッスン&スゴ過ぎるご経歴
・2:ハートに向かって弾く/人差し指の肉のところ
・3:指の役割(親指・小指・他)
・4:正しい姿勢はへそに聞け/作用・反作用の法則
・5:伸筋奏法・弦と弓の角度・移弦の角度